X線小角広角散乱法によるαゲル分子構造の温度依存性評価

加温・冷却に伴うαゲル構造の変化を定量的に評価できます

X線小角・広角散乱 (SAXS・WAXS) によるαゲルの温度依存性評価

化粧品の製剤化技術の1つであるαゲルにおいて、分子ネットワーク構造の温度依存性を知ることは乳化、増粘、ゲル化といった機能や保存安定性などの品質を保証する上できわめて重要です。試料を加温・冷却しながらSAXS・WAXSを測定することにより、分子のパッキング (結晶構造) や高次構造 (ミセル、ラメラ等) の温度変化を定量的に評価することが可能です。

ヘアトリートメントの各温度におけるSAXS・WAXSによる構造変化測定

αゲル構造を有するヘアトリートメント製品のSAXS・WAXSを、温度を変えながら測定しました。SAXSプロファイルからは温度上昇によるラメラ間隔Lの拡大が、また WAXSプロファイルからは分子パッキングの緩みや、低温での六方晶から斜方晶への結晶構造変化が捉えられています。

組成の異なる製剤を用いた各温度におけるαゲル構造の比較

組成 (配合成分) の異なる市販のヘアトリートメント製品AとBのSAXS・WAXS測定を各温度で行い、αゲル構造の変化を比較してみました。その結果、両者はラメラ間隔の温度変化が小さい (≒構造安定性が高い) 領域が異なっており、両製品の温度依存性の違いが明らかとなりました。

掲載資料をダウンロードできます。

PDF形式
左のアイコンをクリックすると、別ウインドウで開きます。

資料のダウンロードにはお客様情報の入力が必要となります。

×

分析についてのご相談などお気軽にお問い合わせください。