構造部品から採取した微小試験片で機械特性評価が可能です
ひずみ測定の重要性と問題点
材料の機械特性を把握するためには、応力-ひずみ曲線 (S-S曲線) の取得が重要ですが、試験片が小さくなると通常の伸び計が使用できず、正確に計測できない問題があります。
日産アークでは、微小試験片での弾性域から破断域までのひずみ計測を可能とするため、ひずみゲージとビデオ伸び計とを組み合わせた、ハイブリットひずみ計測法を採用しています。
ハイブリットひずみ計測の特徴
大変形が苦手な汎用ひずみゲージの変更により測定領域を拡張し、さらにビデオ伸び計とを組み合わせることで、弾性域から塑性領域までの応力-ひずみ線図の測定が可能となりました。
これにより、微小部品や特定箇所周辺の力学特性変化を把握することができます。
また、高温 (80℃) および低温 (-20℃) での測定も可能です。
金属材料におけるハイブリットひずみ計測事例
低温 (-20℃) ・室温・高温 (80℃) の3水準における微小試験片を用いた鉄鋼材およびアルミ材でのハイブリットひずみ計測結果を図1~3に示します。
機械特性の異なる材料でもS-S曲線を得ることができ、大型の標準試験片での計測と遜色のない結果となりました。
ハイブリットひずみ計測法により、部材から切り出した微小部品での評価や破壊起点周辺での力学特性変化の把握ができ、不具合解析などにも有効ですのでぜひご活用ください。