Li NMRとICP-AESで、Li状態の定量評価を行うことができます
負極中リチウム状態の定性・定量
充放電を繰り返して電池の劣化が進むと、負極中に移動できないリチウム (カーボン層内のLi、SEI中のLi塩、金属Liなど) が生じます。それらの電池反応に寄与しないLiの有無は、容量低下や安全性に深く関係するため、その状態や量を知ることはとても重要です。Li NMRではLiの状態により化学シフト値が異なるため、負極中Liの状態を定性し、それらの相対量を把握することができます。さらに、ICPにより求まるLi絶対量と合わせて解析することによって、各Li状態の定量が可能です。
ICP-AESによるLi定量分析
サイクル数が増えると、負極中におけるリチウム量が増加する傾向が観測されました。
Li NMRによるLi状態分析
金属Liやカーボン層内のLiは観測されず、負極中に存在するLiはLi塩 (SEIなど) のみであり、その成分はサイクルが増すにつれ増加することがわかりました。
Li NMRによるLi状態分析事例
負極活物質は、充電時にLi挿入反応が起こります。初期充電品においてカーボン層内のLi (ステージ構造) を示すピークが確認されました。
長期耐久品では、金属Liのスペクトルが検出されました。金属Liの析出は安全性に深く関係しています。
参考文献
M.Leterllier.et.al Carbon 45 (2007) 1025-1034
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