X線回折法 (XRD) による残留応力解析

構造材や機械部品の強度に影響する残留応力を測定します

残留応力の影響

圧延加工やプレス加工、鋳造や溶接、熱処理など様々な加工や処理により、引張や圧縮の残留応力が発生します。
この残留応力は製品の損傷、劣化、破壊、形状精度に影響を及ぼすことが多く、残留応力の測定は重要です。

スポット溶接部の残留応力測定

スポット溶接部表面にクラックが見られたため、マイクロX線回折により溶接部の残留応力について調査しました。表面部は高い引張応力でしたが内部側では低く、冷却などで生じた引張応力により発生したクラックが、応力の低い内部で止まっているものと推定しました。

スポット溶接部全体に引張残留応力が存在し、圧延方向によらず引張応力が存在していました。

表面の強い引張応力によりクラックが生じ、内部では応力が低いため、亀裂が止まっていると推定しました。

鋼板せん断加工部の残留応力測定

打ち抜き時の残留応力を調査するために、せん断加工部の測定を実施しました。
その結果、円周方向の残留応力は引張方向の応力が増大し、500~800μm付近が最大となっていました。また、せん断応力についてはほぼ一定となっていました。

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