溶媒抽出NMRにより、電極全体の被膜定性・定量が可能です
電極全体の被膜定性・定量解析を可能にする溶媒抽出技術と多核種NMR分析
・電極に生成したSEI被膜を、極性溶媒を用いて抽出することにより、電極全体での定性・定量解析が可能です。
・600MHzの高磁場装置により、高分解能測定が可能です。
・抽出液の多核種NMR分析により、電解液溶媒・リチウム塩・添加剤に起因する被膜の定性・定量解析が可能です。
溶媒抽出NMRによる電極全体の被膜定性・定量分析
300cyc付近で急劣化した円筒電池を解体すると負極上で場所ムラが観察されました。外側と内側について、溶媒抽出NMRを実施し、被膜成分の定性・定量分析をしました。
環状カーボネートの1電子還元分解に起因する被膜成分 (-OCH2CH2O-) は、サイクルに対してほとんど変化していない様子が観測されました。また、鎖状カーボネートの還元分解に起因する被膜成分 (-OCH3, -OCH2CH3) において微増傾向が観測されました。
一方で、500cyc品の芯側 (in) ではLiF、リン酸エステル類、有機成分の顕著な増加傾向が確認されました。