顕微ラマン分光法を用いた天然高分子の構造解析 ~デンプン粒子の構造解析~

共焦点ラマンマッピング法ではサブミクロンレベルでデンプンの微細な構造を評価でき、溶解度・崩壊性・粘度・熱安定性など食品や医薬品に重要な物性に結び付けることができます。

デンプンの詳細な構造を評価できるラマンスペクトルマッピング法

食品、医薬品、工業製品など広く利用される天然高分子であるデンプンは、粒子に非晶部と結晶部をもち、直鎖状のアミロースと、分岐構造のアミロペクチンが混在した複雑な構造をしています (図1)。この構造は、原料由来によって粒形やサイズ、アミロース含量などが異なります。一般的にはバルクで結晶化度のみを把握しますが、共焦点ラマンマッピング法を用いることでサブミクロンレベルでデンプンの微細な構造を評価でき、溶解度・崩壊性・粘度・熱安定性などの重要な物性に結び付けることが可能です。

各種原料デンプン粒子の構造解析と物性の関係

デンプンのC-C-O骨格のラマンピーク (図2、483cm-1) とグルコース環のピーク (871cm-1) を用いて、複数原料のデンプンを調べました。溶解度との比較で米粉の溶けやすさの要因が結晶性や配向性の低さに由来することが推定されました。

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