溶液NMR、GC-MSを用いることで電解液の劣化に伴う組成変化を調べることができます。
【目次】
1.電解液の組成変化解析
2.電解液のNMR測定結果
3.電解液のGC-MSによる微量成分測定結果
4.最後に
【目次】
1.電解液の組成変化解析
2.電解液のNMR測定結果
3.電解液のGC-MSによる微量成分測定結果
4.最後に
1.電解液の組成変化解析
電解液組成が電池内でどのような変化をするかを調べることは電池の高性能化に向けての重要な情報になります。
電解液の不揮発性成分を含む定性や、リチウム塩や電解質変性物の定性、およびそれらを含む定量分析では溶液NMRが有効です。添加剤や変性物等の微量成分の検出にはGC-MSが威力を発揮します。これらの手法を組みわせることで、総合的な組成変化解析を行うことが可能です。
電解液の不揮発性成分を含む定性や、リチウム塩や電解質変性物の定性、およびそれらを含む定量分析では溶液NMRが有効です。添加剤や変性物等の微量成分の検出にはGC-MSが威力を発揮します。これらの手法を組みわせることで、総合的な組成変化解析を行うことが可能です。
1H, 19F, 31P NMR | 溶媒、添加剤、リチウム塩、電解質変性物 | ||
GC-MS | 溶媒、添加剤、微量反応生成物 |
2.電解液のNMR測定結果
NMR測定で電解液溶媒主成分およびリチウム塩の定性・定量ができます。サイクルにより、電解液中のリチウム塩が分解して減少し、それに伴い変性物 (PO2F2-) が生成していく様子が観測されました。


試料 | EC | DMC | PC | 1,1-ジメチルプロピルベンゼン | LiPF6 | PO2F2- |
初期品 | 27 | 52 | 4 | 1.5 | 16 | 0.01 |
100cyc品 | 28 | 50 | 4 | 1.5 | 15 | 0.03 |
200cyc品 | 27 | 50 | 4 | 1.5 | 14 | 0.05 |
500cyc品 | 27 | 50 | 4 | 1.3 | 12 | 0.07 |
3.電解液のGC-MSによる微量成分測定結果
遠心抽出法により電解液を希釈せずに回収することができるため、GC-MS測定によりDMC, EC, PCといった主成分の他に、微量の劣化生成物を検出することができます。

試料 | 酢酸メチル | EGDME※2 | 劣化生成物1 | 劣化生成物2 |
初期品 | 0.2 | 6.2 | - | - |
100cyc品 | 0.4 | 7.5 | 0.3 | 0.7 |
200cyc品 | 0.4 | 7.3 | 0.3 | 1.0 |
500cyc品 | 0.5 | 7.6 | 0.6 | 1.3 |
※2:EGDME=エチレングリコールジメチルエーテル