XRD、ラマン、NMRによる硫化物系固体電解質の構造解析

固体電解質の結晶・非晶質構造を大気非暴露にて評価します。

高温X線回折 (XRD) 測定による結晶性評価

硫化物系に代表されるLi2S-2S5系ガラスセラミック固体電解質は、加熱結晶化により超イオン伝導性結晶が析出する系として知られていますが、低露点下にて結晶析出過程を評価する方法として、大気非暴露高温XRD測定があります。LPS(75Li2S・25P2S5)の高温XRD測定により、その結晶化過程を観察しました。当社では高出力X線 + 平行ビーム光学系を採用することで低いバックグラウンドが得られ、非晶質の弱い散乱パターンも明瞭に観察することができます。さらにリートベルト解析により構造パラメータなどを算出することで定量的な解釈が可能となります。

固体電解質の局所構造評価

材料の結晶性を問わずに局所構造情報が得られる手法として、ラマン分光法や固体核磁気共鳴 (NMR) 分光法があげられます。LPSのラマン分光測定ではP-S結合の状態を、固体NMR測定ではLiやPなど核種ごとの局所構造を評価できます。7Li MAS NMR測定では、XRD測定においては明瞭ではない加熱処理後における非晶質成分が確認できました。また、NMRスペクトルからその割合を算出することも可能です。

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