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電子線PDFにより結晶/非晶を問わずナノ界面の構造を解析できます。
全固体電池における固/固界面
全固体電池では、固体電解質の結晶/非晶や電解質/活物質など、ナノスケールの固/固界面が存在します。
固/固界面はイオン伝導、電子伝導などの輸送特性、強度といった構造力学的特性に影響するため、電極設計においてはその局所的な構造や物性を正確に捉えることが必要です。
電子線PDF解析による固/固界面の構造解析
一般的な放射光X線や中性子による構造解析では、バルクの平均構造は解析できますが観測領域が大きく、界面の情報が少ないことから、その構造を精密に決定することができません。また、観測領域がナノオーダーの電子顕微鏡 (Cs-STEM) では、硫黄系固体電解質が電子線ダメージに弱いため、測定が困難です。
そこで、電子線照射ダメージを低減するように電子ドーズ量を抑えた条件で取得した電子回折図形をPDF法で解析し、大規模第一原理計算による構造シミュレーションと組み合わせることで固/固界面の構造を解析する新たな手法を開発しました。
硫黄系固体電池電解質における界面構造の解析事例
硫黄系固体電解質Li2S-P2S5系で結晶と非晶が混在した試料について、電子線PDF解析を行いました。結晶領域(非晶との界面を含む)と非晶領域では、互いに異なり、また、結晶とも異なるPDFが観測されます。結晶領域と非晶領域では4Åより長い距離に違いが見られ、結晶/非晶界面においては、PS4四面体の配列が異なる特異な構造の存在が示唆されます。
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