試料を観察しながらDSC測定が可能です
光学観察ユニットで測定中の変化をみる
通常の熱分析では、曲線の挙動から、ガラス転移、結晶化、融解などの状態変化を読み取りますが、実際の試料の様子を見ることはできませんでした。そこで、DSC (Differential scanning calorimetry) に光学観察ユニットを組み合わせることで、試料の状態を観察・記録しながら測定することが可能になりました。測定中における試料の形状や色彩変化を直接観察することで、より詳しい情報を得ることができます。
多層フィルムでの分析事例
多層フィルムの一部を断面方向から観察しながら測定を行った結果、まずA面から融解が始まり、その後、B面が融解しました。また、DSCチャートの融点からA面側の樹脂がポリエチレン、B面側の樹脂がポリエチレンテレフタレートであることが推測でき、さらに、ポリエチレンの吸熱ピークが100℃付近と120℃付近に見られることなどから、2種類のポリエチレンが存在していると推測できます。