視覚情報は人の心理やインパクトに大きく影響するため、色々な製品に塗装が施されています。一口に塗装といっても、求められる機能のレベルにより様々な原材料が使われ、また塗装構造も複合され、厚みも異なります。塗装状態の確認や機能低下などの様々な現象を把握するためには、最適な分析法と得られたデータの解析が必要となります。当社は、自動車用塗装の解析で培った技術を用いて様々な解析が行えます。
自動車塗装の構成
自動車は、常に厳しい環境下 (太陽や雨、土砂) にさらされます。このため、自動車塗装は長時間使用し続けても破損や劣化することなく、外板の錆を防いで美観を保つことが機能として要求されます。塗装に使用される塗料は自動車各部の塗装ごとに適する成分と塗装方法が採用されています。車体の塗装工程は、トラックや軽自動車などコストを意識した車両では下塗り・上塗りの2回塗り仕上げの場合がありますが、乗用車などの車両では下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り仕上げで行われるのが一般的な工程です。上塗りは発色と光輝感を担うベース層と平滑性・耐久性を付与するクリア層の2回塗り (ウェット・オン・ウェット工程) で構成されることが現在の主流となっています。美観や機能を向上させるために、さらに塗装を重ねる場合もあり、様々な性能が要求される自動車塗装は極めて高度な積層構成で設計されています。
自動車塗装の解析例
自動車塗装は鋼板の保護や美観など多種多様な機能が求められるために塗膜の積層が必要となります。これら積層塗膜の分析には、断面観察技術とイメージングFT-IRによる成分の特定や化学状態の可視化が有効です。図2は代表的な乗用車塗装の断面観察写真とIRイメージング像です。
当社はこれまで様々な自動車塗装の解析を経験しています。FT-IRイメージングの他、充実した分析機器による塗装解析をご提案いたします。お気軽にご相談ください。