複合材界面などナノ領域の化学状態がわかります
ナノ領域の化学状態分析
ナノ領域の化学状態分析ができるAFM-IRは、従来の赤外分光分析 (FT-IR) に比べて1/100の空間分解能 (約100nm) を持ち、微小部の官能基情報が得られる手法です。このたび、世界に先駆けて2種類のレーザー*を搭載したAFM-IRを導入しました。炭素繊維強化プラスチック界面のナノ領域の化学状態分析や単分子膜のIRスペクトルを得ることができるようになりました。
*OPO:Optical Parametric Oscillation
QCL:Quantum Cascade Laser
AFM-IRの測定原理
試料に赤外レーザーを照射すると局所的に熱膨張を起こします。これをAFMカンチレバーの振幅変化として検知し、フーリエ変換することで、IRスペクトルを得ることができます。
● AFM-IRの特長
1.QCL (量子カスケードレーザー) によりウェハ上の単分子膜も測定可能
2.Nano-TAにより微小部の熱分析も可能
3.Lorentz Contact Resonance (ナノメカニカル計測) により微小部の粘弾性挙動をとらえることが可能
CFRP**のCF/エポキシ界面における官能基分布評価
CF界面からエポキシに向かって芳香族が傾斜的に増加していること、また、CF界面付近にアルキルフェニルエーテルが顕著に局在化していることがわかります。
**CFRP: carbon-fiber-reinforced plastic (炭素繊維強化プラスチック)