材料の物性発現/抑制メカニズムを解明し、最適な成形条件へと導きます
機械特性と材料組織の関係
材料組織は、成形品の物性発現と密接な関係があり、成形条件 (特に温度条件) により変化します。N-ARC法による組織解析を起点とした仮説検証型の総合解析を、樹脂成形品の曲げ弾性率が変化する現象を例に紹介します。
樹脂成形品の曲げ弾性率の変化と金型温度との相関
金型温度条件のみ異なる耐熱PA樹脂成形品について3点曲げ試験を実施し、曲げ弾性率の変化の要因について2つの仮説を立て、検証しました。その結果、金型温度が高いことにより、“コアが厚く形成した”ため、曲げ弾性率が上昇したことが推定できました。
1.仮説構築:金型温度160℃の方が曲げ弾性率が高くなる要因
・仮説①:結晶性の低い冷却層が薄く形成され、コアが厚くなっている
・仮説②:成形品全体の結晶性が上昇し、硬くなっている
2.仮説①検証:N-ARC法断面観察による成形状態の可視化
仮説①の通り、金型温度が高いため、冷却層が薄く形成されていた
3.仮説②検証:結晶性評価 (FT-IR) と板厚方向の硬さ分布
全体的に硬くなる傾向は認められず、仮説②ではなかった
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曲げ弾性率が上昇する要因は、“コアが厚く形成した影響”といえる
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