「組織解析」で金属組織と材料強度の密接な関係を明らかにします
引張強さと金属組織の解析事例
金属材料における強度発現のメカニズムを把握するためには、化学成分と組織などを考慮した「組織解析」が重要です。以下は、金属ボルトの強度発現メカニズムを調査した事例です。
組織観察の結果から、強度区分4.8と8.8および10.9ではフェライト+パーライトとマルテンサイトとの違いが、さらに同じマルテンサイトでも強度区分8.8に比べて10.9の方が旧γ結晶粒サイズが小さくなっていること、メタルフローが密になっていることなどが確認できました。これらの結果と組成分析の結果を組み合わせることで、組織の違いが引張強さに寄与していること、そしてC、Cr、Mo、Siの添加量で組織 (ボルト強度) を制御していることが推定できます。