次世代パワー半導体の熱劣化過程をオンゴーイング観察できます。
次世代パワー半導体の耐熱課題
SiCなどの次世代パワー半導体は、高いジャンクション温度 (Tj>200℃) でも高効率・安定に動作することができ、これを利用した電力変換器は大幅に小型軽量化できることが期待されています。一方で、周辺部材への耐熱要求は高く、従来のSiデバイスの実装技術を流用するだけでは限界が近づいています。特にダイチップを保持するダイアタッチは熱影響を強く受けるため、熱によるボイドや亀裂発生が少ない耐熱信頼性の高い部材が強く望まれます。
熱衝撃による界面剥離の分析例
熱衝撃試験を行ったデバイスを、超音波顕微鏡で観察しました。
冷熱サイクル試験のサイクル増加に伴い、パッケージ樹脂/Cu基板界面において徐々に剥離が広がる様子を非破壊で確認できました。
断面SEM観察を行った結果、500cycle後のサンプルには、樹脂/Cu基板界面だけでなく、SiC/ダイアタッチ界面にも剥離が発生していることがわかりました。
断面SEM観察では、より微細なクラックも発見できます。このような空隙はチップ放熱を妨げるため、半導体特性の劣化を引き起こします。