Alワイヤボンドの熱劣化過程を調べることができます。
次世代パワエレモジュールの耐熱課題
SiCなどの次世代パワー半導体は、広範囲な温度領域において優れた特性を示します。同じく周辺部材にも温度耐久性が求められるため、この要求を満たすダイアタッチやワイヤ等の材料開発が活発に行われています。
Alワイヤボンドの熱劣化過程
超音波接合したAlワイヤボンドは、超音波の衝撃によって結晶粒が微細化します。高温放置試験を行うと再結晶化が進み、これに伴いボンド強度が低下します(ホールペッチの経験則)。しかし、ワイヤボンド径と同等の大きさまで結晶粒が成長すると強度低下は下げ止まり、再結晶化によって配線抵抗を減少させる効果があります。
一方、繰り返しの熱衝撃を与えるとヒールが細くなり、ヒール下のチップ接合面に亀裂が進展する様子が認められました。配線抵抗の増加は基板接触面積や配線径の減少によるものと推測されます。