広域~狭い領域でのラマンマッピング測定が可能です
広域ラマンマッピング法の概要
近年、機能性材料の性能向上へ向けて、広域~狭い領域での化学組成分布を把握することが重要となっています。日産アークでは、高分解能マッピングステージ (測定領域:10μm角~200μm角) に加え、広域モーターステージ (測定領域:200μm角~2.5mm角) を導入し、最小10μm角から最大2.5mm角までのラマンマッピングに対応できるようになりました。
広域ラマンマッピング法により、サンプルの全体像を把握した上で任意の測定箇所を選択でき、効果的な分析を行うことが可能です。
ポリマーアロイの組成分布評価
物理的な撥水加工が施されたポリマーアロイの表面について、広域ラマンマッピング測定を行ったところ、基材はポリエチレンテレフタレート (PET) であることがわかりました。また、その分布は均一ではなく、粒状物が凝集している形態が認められました。
さらに、粒状物に着目し、50μm角で高分解能測定を行ったところ、粒状物組成は2種類あり、それぞれアクリル樹脂とポリエチレンの粒子であることがわかりました。