パワーデバイスの信頼性試験と複合観察

効率よく状態を把握して、封止樹脂の密着性改善につなげます

信頼性試験と複合観察で迅速な開発へ

サンプル試作と信頼性試験、非破壊・破壊観察などを組み合わせることにより、故障の詳細な態様を短時間で引き出すことができます。ここでは動作温度領域が拡大したSiCパワーデバイスのエポキシ樹脂パッケージの一例をご紹介します。

非破壊:超音波探傷顕微鏡 (SAT) 観察

新しい高耐熱エポキシ封止樹脂 (EMC) でモールドしたTO-247 PKG SiC-SBDを作成し、-40℃~+200℃の気相冷熱サイクル試験を行いながら、途中SAT像を観察しました (EMCパッケージは200℃、3000時間に耐えることは確認済み) 。

図1がSAT像の変化です。このSAT像はダイパッド表面、SiCダイ表面の空隙を白く表示させています。100cyclesころからSiCダイ外縁で空隙が発生し、試験が進むにつれ、外方に拡がって行くことがわかります。

破壊:走査電子顕微鏡 (SEM) 断面観察

SAT観察だけでは垂直方向に走った空隙や断続的な空隙など、空隙の詳細な位置を特定することは困難なため、3000cycles後のサンプルについて、SEMによる断面観察を行いました (図1の破線部) 。写真1、写真2から空隙はEMC/Au-Geはんだ界面及びEMC/ダイパッドAgめっき界面の剥離であること、SiCダイ側壁にはEMCが密着していることが判明しました。一方、写真3からEMC/SiC表面Al界面では飛び石状に剥離が起きていることが確認されました。

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