オイル劣化時の添加剤劣化状況を定性・定量的に評価できます
エンジンオイルの劣化と摩擦特性変化
自動車の燃費向上のため、エンジンオイルには摩擦調整剤、極圧剤、清浄剤など様々な添加剤が含まれます。高温且つエンジン燃焼により生成した酸化物に晒される過酷な環境下では添加剤の分解・変質は避けられず、市販オイルを酸化劣化させた後のSRV試験では、新油に比べて摩擦係数μが約3倍に増加しました。
添加剤劣化について、LC-MSとXAFSにより詳細に調べました。
LC-MSによるオイル中の添加剤分析
LC-MSは混合物を分離しながら成分を推定できます。
劣化油ではMoDTCが未検出であり、摩擦係数の上昇の要因と推定されます
XAFS (X線吸収微細構造) によるMoDTCの変質分析
XAFSではX線の吸収スペクトルによって化学状態の同定が可能です。今回、新油と劣化油で比較したところ新油ではMoDTC、劣化油ではMoO3のスペクトルが一致しMoDTCが変質したと推察されます。
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