ナノインデンテーション法による接合界面のミクロ機械特性評価

ナノインデンテーション法超高速マッピング測定 (XPM) は、μmオーダの微小領域での力学特性分布観察を可能とします。接合界面での力学的な傾斜構造や均一性が確認できるため、強度 (密着力) 発現の解明や界面での破壊要因の調査に利用できます。

接合界面評価のナノインデンテーション法の有効性

接合界面の性能向上として密着力 (強度) の向上が課題とされていますが、強度を向上させるには界面で応力集中を軽減する「傾斜構造」を持つことや、力学特性分布を「均一」にさせること等が有効であると知られています。nmオーダでの力学特性が得られるナノインデンテーション法の超高速マッピング測定は、微小領域での機械特性分布の観察から、界面での傾斜構造の有無や均一性の確認ができるため、強度向上の指標を得る有効な手段になります。

傾斜構造の評価事例:摩擦撹拌点接合 (FSSW) 界面の弾性率評価

Al-FeのFSSW接合部位の断面観察から界面での合金層の存在が確認されました。超高速マッピング測定により合金層の弾性率は母材のAlとFeの中間の値が得られ、傾斜構造の存在により強度が確保されていることが分かりました。

均一性の評価事例:PA6の熱板溶着界面

PA6の熱板溶着材にて引張試験を実施すると、破壊は溶着界面の中央結晶層内でのみ発生しました。
溶着界面の断面にて超高速マッピング測定を行った結果、中央結晶層では脆性指標 (硬さと弾性率の比) の値が周囲より高い結果となり、脆い中央結晶層において選択的な破壊を生じたことが分かりました。

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