NOxバブリング試験によるエンジンオイルの劣化評価

エンジンオイルの性能を評価するための劣化試験 (NOxバブリング試験) を行うことができます。また、エンジンを模擬して劣化モードの異なる劣化油を作製し、劣化メカニズムの解明、エンジン設計のフィードバックデータの取得が可能です。

NOxバブリング試験とは

ブローバイガスを模擬したガスをエンジンオイルに吹き込むことでエンジン内部の状態を模擬してオイルの劣化を加速する試験です。NOxバブリング試験では、オイルの性能評価の一環として酸化安定性の評価が可能です。また、劣化メカニズムの解明、エンジン設計のフィードバックとして、エンジンを模擬して劣化モードの異なる劣化油を作製し、添加剤の減少・劣化生成物の調査などの詳細分析を行うことが可能です。

中和価とオイル中イオンの関係

NOxバブリング時間の経過に伴い、TAN (全酸価) が増加、TBN (全塩基価) が減少し、オイルの劣化が確認できました。イオンクロマトグラフィーによりオイル中にNOxガスが吹き込まれた様子 (NO3) と添加剤の分解物であるSO42-の生成が確認できます。

LC-MSによる添加剤量の評価

LC-MS分析により、NOxバブリング16時間後にはアミン系酸化防止剤がほぼ0まで減少していることが確認できました。このようにTBNやIC分析だけでは分からない各添加剤の減少の様子を知ることができます。

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