放射光マルチスケールCTによる接着界面の高分解能3D観察

マルチスケール放射光X線CTによってマイクロからナノスケールの非破壊三次元観察が可能です。マイクロCTによって1mm視野で観察後に詳細観察場所を決定し、ナノCTで数10nmの分解能で特定場所の観察ができます。また、放射光X線により、その場観察を実施しながらの観察もできます。

接着界面のマルチスケール非破壊観察の重要性

放射光 X線CT ナノCT マイクロCT

接着界面においてマイクロからナノスケールの領域で機械物性、化学状態分析、形態観察を補完的に実施し、接着界面の強度発現メカニズムを理解することは、接着技術の開発には重要です。形態観察においては放射光マルチスケールCTを用いることで、非破壊でミクロン、ナノスケールで観察が可能です。

放射光マルチスケールCT (マイクロ、ナノ) の構成

透過能に優れた単色高エネルギーX線 (20~30keV) を用いた放射光X線CT測定 (SPring-8 BL20XU) により、非破壊で解像度の高い三次元形態画像が得られます。また、マイクロCTとゾーンプレート、位相板を用いたナノCTを相補的に利用することで、マルチスケールで接着界面の観察が可能となります。さらに接着部を引張ながらOperando観察することで破壊起点を観察することもできます。

放射光 X線CT ナノCT マイクロCT
放射光 X線CT ナノCT マイクロCT SPring-8

放射光マルチスケールCTによる接着界面観察

マイクロCTにより接着部全体を観察し、拡大したい場所を特定しナノCTで観察を実施しました。位相板を利用することで添加フィラーの界面、クラックが明瞭に観察できました。また、高温高湿保存後の試験片では初期には観察されなかったボイドが確認されました。

放射光 X線CT ナノCT マイクロCT
放射光 X線CT ナノCT マイクロCT
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