PP/CMF/MAPP複合材について、断面観察およびX線CT (XRM) を用いてCMFの分散状況を確認しました。MAPP有の試料の方がCMFの凝集物が小さく、MAPPによる分散性の改善が確認されたことから、分散性の向上が強度向上の一助であることが確認できました。
CMF複合材の分散性を評価する重要性
環境に配慮した材料としてCMFを始めとした天然繊維が注目されています。一方でCMFなどの天然繊維は母材樹脂との密着性や分散性が悪いため、一般的にMAPP (マレイン酸変性PP) のような相溶化剤を添加して樹脂との密着性・分散性を改善し、機械特性を向上させます。

CMF複合材の引張強度試験結果
引張試験により、CMFおよびMAPPを添加した複合材の引張応力は最も高くなり、CMFによる補強効果およびMAPPによる分散性・密着性の向上が示唆されました。