X線回折 (XRD) 法を用いてリチウムイオン二次電池の負極材料の結晶構造解析ができます。
【目次】
1.なぜ負極材料の結晶構造解析が必要なの?
2.どのようにXRD分析をしているの?
3.XRDで、具体的に何が分かるの?
4.in-situ XRDで何が分かるの?
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1.なぜ負極材料の結晶構造解析が必要なの?
充電状態に応じた結晶構造の変化をとらえることが、電池を設計する上で重要だからです。
電池設計上、電極活物質の体積変化が少ないことが求められています。しかし、負極活物質は充放電過程において、Liの挿入・脱離に伴い体積が膨張・収縮します。これはミクロな結晶構造変化 (面間隔、格子定数) に起因しています。そのため充放電に伴う結晶構造変化を詳細にとらえることが重要です。
電池設計上、電極活物質の体積変化が少ないことが求められています。しかし、負極活物質は充放電過程において、Liの挿入・脱離に伴い体積が膨張・収縮します。これはミクロな結晶構造変化 (面間隔、格子定数) に起因しています。そのため充放電に伴う結晶構造変化を詳細にとらえることが重要です。

2.どのようにXRD分析をしているの?
密閉型試料台を用いることにより、大気非暴露で測定を行っています。
カーボン層内のリチウム (ステージ構造) は活性が高いため、大気非暴露での分析が必須となります。Ar雰囲気グローブボックス内でサンプリングをし、日産アークオリジナルの大気非暴露ホルダやin-situセルにセットして分析を行っています。
カーボン層内のリチウム (ステージ構造) は活性が高いため、大気非暴露での分析が必須となります。Ar雰囲気グローブボックス内でサンプリングをし、日産アークオリジナルの大気非暴露ホルダやin-situセルにセットして分析を行っています。

3.XRDで、具体的に何が分かるの?
各ステージ構造やその詳細な格子定数が分かります。
XRDチャートでは、横軸に示す2θ (角度) が結晶の面間隔に対応し、ピーク強度は主に原子による散乱を表しています。図2に初期品の放電・充電状態およびサイクル品 (300cyc) の放電状態のXRD測定結果を示します。放電状態を測定した結果、解体電圧に対応してピークが若干低角側にシフトしており、これはグラファイト層内にリチウムがわずかに存在していることがわかりました。一方充電状態では、LiC6やLiC12といったステージ構造が存在していることが分かります。
XRDチャートでは、横軸に示す2θ (角度) が結晶の面間隔に対応し、ピーク強度は主に原子による散乱を表しています。図2に初期品の放電・充電状態およびサイクル品 (300cyc) の放電状態のXRD測定結果を示します。放電状態を測定した結果、解体電圧に対応してピークが若干低角側にシフトしており、これはグラファイト層内にリチウムがわずかに存在していることがわかりました。一方充電状態では、LiC6やLiC12といったステージ構造が存在していることが分かります。

4.in-situ XRDで何が分かるの?
充放電過程における電極電位に対応した結晶構造をリアルタイムにとらえることができます。
図3は市販グラファイト電極を用いたハーフセルでin-situ XRD測定を行った結果です。充電曲線に対応し、各電位に対しピークが低角側へシフトしていることが分かります。例えば、ステージ-2 (LiC12) からステージ-1 (LiC6) へは結晶相が共存している様子がみてとれます。このように電位変化に伴うステージ構造変化の詳細を非解体でとらえることできます。
図3は市販グラファイト電極を用いたハーフセルでin-situ XRD測定を行った結果です。充電曲線に対応し、各電位に対しピークが低角側へシフトしていることが分かります。例えば、ステージ-2 (LiC12) からステージ-1 (LiC6) へは結晶相が共存している様子がみてとれます。このように電位変化に伴うステージ構造変化の詳細を非解体でとらえることできます。

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