Rubber Chemistry and Technologyに論文が掲載されました

現象解析部の加藤 淳の論文が、Rubber Chemistry and Technologyに掲載されました。
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Rubber Chemistry and Technology
タイトル:TREATMENT FOR REMOVING ZN COMPOUNDS FROM SILICA-FILLEDVULCANIZED RUBBER AND ANALYSIS OF SILICA AGGREGATEDISPERSION
(シリカ充填ゴム加硫物のZn化合物除去処理とシリカ凝集体の分散の解析)
・著者:加藤 淳*1, 伊藤 孝憲*1, 蓑浦 博文*1, 斎藤 憲男*1, 網野 直也*2, 中嶋 健*3, 伊藤 万喜子*3, 藤森 一彦*3, 漆原 良昌*4
*1 (株) 日産アーク
*2 横浜ゴム (株)
*3 東京工業大学 物質理工学院
*4 放射光利用研究基盤センター 産業利用・産学連携推進室

シシリカ入り加硫ゴム (スチレン・ブタジエンゴム (SBR) 、および、イソプレンゴム (IR)) をジエチルエーテル/濃塩酸溶液で48時間以上室温処理することにより、ゴム中の亜鉛 (Zn) 化合物 (残留する酸化亜鉛 (ZnO) 、ゴム可溶性Zn化合物および架橋反応副生成物としての硫化亜鉛 (ZnS) ) の大部分を除去することができるが、96時間処理しても若干のZnOが残存する。特に、96時間処理したシリカ入りSBRマトリックスでは、HCl付加結合からHClが脱離した後の架橋反応により、架橋密度とヤング率の著しい増加が観察された。一方、96時間処理試料の超小角X線散乱 (USAXS) 測定では、シリカ凝集体に由来するショルダーが観察され、明瞭な高分解能X線CT像が得られた。これらのショルダーとX線CT画像から得られたシリカ凝集体の大きさとの関係は定性的には一致しており、その関係はビス-3-トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド (TESPT) と1、3-ジフェニルグアニジン (DPG) の有無には影響されず、ゴムの種類に依存していた。さらに、X線CTイメージングから求めたシリカ凝集体の最近接粒子間距離もゴム種に依存していた。

・ジャーナル:Rubber Chemistry and Technology
・DOI: https://doi.org/10.5254/rct.23.00046
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